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ロックの部屋

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FREE

フリー『the best of Free All Right Now』



【フリー】のアルバムがデジタル・リマスター化されて発売されるというので、1991年に飛びついて買ったアルバムがこれです。まだこのころのロックのアルバムはボチボチリマスター化されていった頃で、フリーのこのアルバムは先陣をきった形でした。

80年代のロックアルバムの、CDの音の悪さに閉口していた私です。アナログの音の厚みに比べてCDのやせ細ってギスギスした音に納得がいかなかったのですが便利さに負けて渋々聴いていたCDでした。

やはりデジタル・リマスター、厚いフリーのリズムが再現されて、なおかつ鮮明。

フリーは60年代後半から70年代前半にかけて活躍したハードロックバンドですが、ギター・ベース・ドラムス・ヴォーカルの典型的なクラシックスタイルのバンドでした。けしてトップバンドではなかったのですが、いわゆる通の間では人気もあって評価の高いバンドでした。

クラシックスタイルにありがちなブルース臭さというのがあまり感じられず、とてもシンプルでタイトなロックです。安定したリズムセクションがこのバンドのサウンドを支えている。ドラムスにサイモン・カーク、そしてベースにはデヴュー時若干18才のアンディ・フレイザー。ギターリストのポール・コゾフのギターは時に泣きのリフを刻む。そしてバンドの顔であるヴォーカリストのポール・ロジャース。

ポール・ロジャースのヴォーカルスタイルはシャウトするのではなく、ソウルフルで空間に声量を漂わせる。当時のシャウトするロバート・プラントやイアン・ギランなどとは対極の位置にいた。そのせいか地味な印象が付きまとっていたのですが、渋い男のロックを感じていました。

あらためて「Sail On」なんか聴いてみると、ピアノやオルガンもさり気なく使用していました。

「The Hunter」はブルースをベースにしているものの、ギターがとてもヘヴィー。

「Be My Friend」では何とメロトロンをさり気なく使用している。切ないメロディーに寄与しています。これは名曲です。

「Travellin’ In Style」はカントリー調の曲で楽しめます。

「Fire And Water」これはポール・コゾフのギターが聞き物。空間に飛び交う、花火のように閃光させているかのような、しびれる虹色華厳ギターサウンド。

「Don’t Say You Love Me」みたいな、しっとり聴かせるバラードもあるしなぁ。

そしてなんと言ってもフリーの代表曲は「All Right Now」だ。もうこれはクラシックロックのスタンダート化した名曲だ。このポール・ロジャースの間合いと呼吸に脱帽。ポール・コゾフの泣きのギターに涙。タイトなリズム・セクションに感謝感激。

♪オール・ライト・ナウ・ベイビー・イッツ・オール・ライト・ナウ、チャラララン、オール・ライト・ナウ・ベイビー・イッツ・オール・ライト・ナウ・イェー♪

この気持ちの良い乗りわかるかなーわかんないかなー。解る人は年配のロックファンですね、多分。(笑)

フリーは1973年『Heatbreaker』を出した後解散。1974年ポール・ロジャースとサイモン・カークはモット・ザ・フープルのメンバーらと共に【バッド・カンパニー】というバンドを結成しました。

フリーでした。


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